相続とは。
田尻司法書士事務所に勤務する新人司法書士が日々の業務を通じて垣間見た司法書士の仕事について記すコラムです。皆様に相続登記や司法書士の業務を知っていただくための一助となれば幸いです。
人はその生涯で、種々の経済活動を行い、幾ばくかの財産を築きます。また、幾ばくかの義務を背負うこともあるでしょう。月日は流れ、人は老い、悲しいかな、やがて、その生涯は幕を閉じます。
ここで、素朴な疑問が生まれます。
“亡くなった人の財産は誰のものになるのだろう。また、亡くなった人の背負っていた義務は誰が背負っていくのだろう。”
法律は、次のように規定しています。
相続は死亡によって開始する。(民法882条)
相続人は相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。(民法896条)
平たく言えば、『亡くなった人の財産は、亡くなった時から相続人の財産になる。亡くなった人の背負っていた義務は、亡くなった時から、相続人が背負っていく。この現象を民法では、“相続”と呼ぶ。』ということです。
我々、司法書士が主に専門的能力を発揮するのは、亡くなられた方の財産の中に、不動産が含まれている場合です。
亡くなられた方の名義の不動産を相続人の名義に変える手続き、これが相続登記です。
次回は相続登記について、具体的にご説明したいと思います。