権利証・登記識別情報を紛失してしまった場合②(不正登記防止申出と失効の申出)
権利書を盗まれたり、知らない間に登記識別情報通知のシールが剥がされ他人に登記識別情報の番号が知られたかもしれない場合、権利書については、不正登記防止申出を行い、登記識別情報通知については、不正登記防止申出をした上で失効の申出をするか、もしくは失効の申出をします。
(A)不正登記防止申出の制度について
不正な登記がなされる差し迫った危険が認められる場合に、申出から3か月間、不正な登記を防止する制度ですが、登記手続を禁止する効果はありません。
警察等への被害届け、防犯の相談又は告発、市町村長への印鑑証明書を無効とする手続きの依頼等の措置を行っていることが申出の要件となっているので、法務局は、それらの措置を行っているか確認を行います。(緊急時には先に法務局へ申出を行うことができますが、申出後直ちに上記の措置を行う必要があります。)(平成17年2月25日法務省民二第457号通達)
申出から3ヶ月以内に申出に係る登記の申請があったときは、当該申出に係る登記が申請されたことを申出人に連絡し、登記官が本人確認の調査を行うのであって、登記申請が全て却下されるということではありませんので注意が必要です。
この制度には延長の手続きはありませんので、3ヶ月を経過しても不正な登記がされる恐れがある場合には、再度、申出を行う必要があります。
(B)登記識別情報の失効の申出という制度について
登記識別情報を紛失し,これが誰かに盗み見られた可能性がある場合などには,登記名義人又はその相続人その他の一般承継人の申出により,登記識別情報を失効させる制度です。
失効の申出をすることで、登記識別情報による登記手続によらず、登記申請の度に、以前のコラムでお知らせした事前通知や本人確認情報などにより、登記の申請をすることになります。
田尻司法書士事務所で登記手続をしていただいたお客様には、登記手識別情報の取扱いについて書いたご案内を登記識別情報に合綴し、一緒にお渡ししています。